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不当な強制配転に対し県労委が原職復帰命令

 ユニオン広島安芸府中支部の支部長に対する09年の強制配転に対して県労働委員会は不当労働行為に当たるとして原職復帰と謝罪文交付命令を出しました。
 これを受けユニオン中国地本は1月19日に勝利報告集会を開き、その意義を確認してきました。
 ここに紹介しますのはそのときに準備された報告と問題提起の文書です。

県労委での勝利をテコに不当労働行為を一掃しよう
――淀谷強制配転県労委闘争勝利報告集会――

1.はじめに

  1月14日、淀谷強制配転の不当性を争った広島県労委は、100%の勝利命令を出した。
  主文では、09年4月1日付の配転を無かったものとして原職復帰を命じ、合わせて、今後同様の行為が繰り返される恐れがなしとしないので地本・支部に謝罪文を交付せよと重ねた。
  県労委の真摯でかつ公平な判断に深く敬意を表する。

  郵政省時代以来、強制配転撤回闘争は苦難の連続であった。数多くの労働者とその拠点が、会社の「裁量権」の前に屈服させられ、破壊され回復不能のダメージを被ってきた。民営化後もその蛮行は繰り返されている。まさに、不当労働行為やり得の体質は不変だった。
  しかし、私たちは勝利した。二度目の本格的な勝利だ。松田中労委では、「苦渋の和解」によって当該は原職復帰したものの何らの勝利報告も許されなかった。けれども、今回の淀谷県労委では、満天下に勝利を報告できる。このことをともに心から喜び合おう。

  この争いを支えた人々に心から感謝する。当該・関係者はもとより、この闘いを支えていただいた組合員・共闘、そして、深い認識で終始リードされた両弁護士のご奮闘に・・・
そして、この勝利が全国に波及するものと確信する。
  地方内でも岡山の闘いが始まり、九州の闘いが続く。また、他の争議とも連動する。平成タクシー争議にも大きな支援となる。

  厳かに会社に通告する。もう無益な争いを止めて命令に直ちに従いなさい。不当労働行為根絶をはじめとして、企業の社会的責任を重く受け止めることが君たちの利益でもある、と。

2.全文33ページからなる県労委命令の特徴と評価

(1) 非常に苦労された論理構造となっているが、スッキリとまとめられている。
  まず、事案の概要、当事者の主張はコンパクトにまとめられている。
  第3の認定した事実から見てみよう。ここではまず、当事者適格に関わる事実が扱われている。結論としては、事業会社を「日本郵政傘下、グループの一つ」と明確に位置づけ、その責任を明示している。
  続けて、配転までの労使関係が述べられる。組合事務所、松田強制配転、そして安芸府中における会社の対応が認定される。団交協約が締結されているにも関わらずJPと異なり団交は窓口交渉に限定されている。さらに安芸府中支部と淀谷の活動に言及する。残業手当不払い、非正規社員の待遇改善問題に取り組み、淀谷が書記長の任務に止まらず交渉委員として、これらの解決や他労組からの相談にも積極的に応じていた事実を認定する。極めつけは、佐藤の証人尋問における「労使敵対」発言がしっかりと認定される。
  そしていよいよ人事異動の核心に入る。ここで、両支店長の発令権限を認定したうえで、配転命令を出した経緯を整理する。矛盾する過員解消、人事異動予定者の決定、個別対話の実際、人選の矛盾、選考基準の恣意性、具体的人選過程、をなぞっていく。公社時代の選考基準との対比の中で、最終選考の3名と異動希望の柴田問題がふれられる。
  そしていよいよ本件の異動命令の認定に入り、その後の両支店状況に関する会社側主張が支離滅裂である事実が認定される。

  認定の最後に、配転による支部と淀谷への影響を詳細にふれる。
  淀谷が支部活動に関与しえなくなった事実。支部の窓口交渉、執行委員会の開催状況、要求書の提出状況、淀谷以外の組合員の活動状況など、大きく活動が阻害された事実が認定される。ほぼ、私たちの立証が認定された。

(2) 事実認定のうえで第4として県労委の判断が具体的に示される。
  当事者適格については、「使用者として独立した権利義務の主体となる者であること」から、支社以下は「部分に過ぎず、帰属主体とはなり得ない」として、ズバリ事業会社本社に命令を発した。手下がやったことでもその責任は本社にあると明確に断じたのだ。

  次に不利益性の判断に移る。
  まず、本人にさほどの不利益が生じないとしても、労組法に言うのは「組合員個人の経済的不利益ばかりでなく、組合活動上の不利益をも含む」ものであるから、淀谷の組合活動上の不利益が生じたことを認めつつも、組合活動故に配転させられたものに該当するならば、会社が裁量権を逸脱して「不当な動機・目的のために行使することが許されないのは当然」であると、以下に具体的に検討を加える。

  労使関係の状況については、まず松田強制配転中労委、団交における差別対応、残業代不払い、非正規要員見直し、佐藤発言などを取上げて、かねてから対立関係にあり、支部活動の活発化、組織拡大を好ましく思わず、淀谷がその中心的役割を担っていた、と判断した。
  業務上の必要性については、過員解消・正社員欠員補充、年齢平準化などが事実経過からしても「不自然」「必要性が疑問」とし、逆に府中の「人員不足」が指摘され、東についても「会社の主張は措信し難い」もので、「主張はいずれも認められない」と退けられた。
  選考基準・人選の合理性については、佐藤証言に言う「本件基準があらかじめ定められていたかは極めて疑わしい」し、公社当時に支社が定めた基準とは勤続年数、予定者の絞込みについての合理的説明も疎明もなく、「柴田を除外するために設けた」「淀谷異動を意図して作成された」との「疑い」があり、決定後の個別対話は「合理的でなく、形式的で、公平かつ適正に判断したか疑いが残る」と、あけすけに「不合理性」が指摘された。

  結論として、不当労働行為の成否については、「本件異動命令は、淀谷が正当な組合活動をしたことを理由としてなされたものといわざるを得ず、労組法第7条第1号が禁止する不利益取り扱いの不当労働行為に該当する」と明確に断定した。

(3) 支配介入に該当するかについては、組合活動障害の結果でなくおそれで足り、支配介入意思こそが要件だとして、一連の事実を前提とするなら「安芸府中支部の活動を減退させ、もってその弱体化を図る意図に基いてなされたと解するのが相当であるから、労組法7条3号が禁止する支配介入に該当する」と、これまた争点の二点目も明確に断定した。

(4) 中労委申し立てを理由とする不利益取り扱い(報復)に該当するかについてのみ、「これを認めるに足る疎明がないので、組合主張は認められない」こととなった。もとよりこの問題は、中労委へ持ち込まれたときの争点として県労委においては十分展開しなかったものだ。

(5) 最後に、法律上の根拠規定が示された。以上が命令の要約であり、私たちの主張と立証がほぼ認められたもので、完全勝利命令と評価できる。

3.今後に向けて

  会社はどう出るか。
  行政命令・処分取り消し請求訴訟――広島でなく東京地裁の可能性が高い。
  私たちは次の闘争体制の確立を急ごう。
  裁判であれ、中労委であれ、広島であれ東京であれ、万全の態勢を築くことが急務。
  全国に、社会的に広げよう――知らせ、自信に変え、共闘を縦横に築こう。

 *資料 淀川県労委命令書全文 (PDF1.3MB)

 
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